『言いたいことも言えないこんな世の中は〜POISON〜』な日々

平凡な29歳女子に日々起こる、ちょっとした出来事に対して言わせてほしい

ブラジャーは突然に〜通報編〜

 

 

そんなこんなしていると、父が帰ってきた。

ブラジャーを見つめ、眉間にシワを寄せている父は、何ともシュールである。

 

そして、新聞紙に包まれたブラジャーを囲んでの家族会議

 

とにかく今日のところは、

各々一旦ブラジャーから離れ寝ようということになり、

不思議な気持ちを抱いたまま床についた。

翌日も、両親は仕事、わたしは大学へ行かなければならなかったので、

ブラジャーのことはあえて話題に出さず、それぞれ家を出た。

 

学校が終わり、昨日と同様、

仕事終わりの母に車で拾ってもらい帰路についた。

あ〜昨日のブラジャーどうするんだろ…?

なんて考えているうちに車を駐車場に止める瞬間、

昨日と同じ場所にまたホワッとしたものがあったのである。

 

…ブラジャーだ。。。

 

とっさに車から降り、母と確認する。

ヒョウ柄…」母の呟きに吹きそうになったが、

2日連続ブラジャーがそこにあるなんて、

人の手によるものであり、どなたかの犯行を疑わざるを得ない。

 

すぐに父に連絡をしたところ、「とにかく現場を保存し、警察に通報して」と、

どこぞのドラマでよく聞くようなセリフを言ったので

(一般人の現場保存の指示の違和感…)、母は110番通報をした。

 

警察に通報するなんて無縁の人生だと思っていたわたしは、

ドキドキしながら警察の到着を母と待った。

数分後、パトカーが到着した。

犯罪とは無縁の住宅街に住むご近所さんも何事か?

と心配そうにこちらを伺っている。

 

母は、新聞紙に包まれた昨日のブラジャーと、

現場保存した今日のヒョウ柄を警察に見せ、

発見した経緯などを警察に伝えた。

 

警察は、「ここは夜人通りが少ないし、

故意に置かれた可能性が高いね」と推理して見せ、

「誰か嫌がらせ受ける覚えある?」などと、

怨恨の線説を持ち出してきた。

母は「そんなのないと思いますがね…」と即座に否定していたが、

両親とも公務員で娘は真面目な女子大生の平凡真面目な一家である。

恨まれるような事柄とは無縁な一家代表である。

 

とりあえず、

トロールを強化するしかできることはないとの事だったので、

不安は残ったままだったがお願いすることにした。

(警察によると、この場合はモノが落ちていたに過ぎないため、

被害届などは出せないらしい。)

 

警察が帰る雰囲気を出した時、

わたしは大事なことを忘れている気がした。

…落ちていたブラジャーそのものの存在だ!

「すみません!!このブラジャー達はどうすればいいんですか?」

「そうでしたね笑」笑←じゃない。

「この場合、落し物拾いましたって届けを出してもらいます」

落とし物?拾いました?

『「すみません、、公園に財布が落ちてたんですけど、、」

 「では、落とし物拾いましたって届け作成しますね」』

と一緒ですか?!と聞きそうになったが、

そうというのであれば、そうらしいのである。

 

いつ、どこで、なにが、どのような状態で…

などと事細かに聴取された

(ブラジャーの色やサイズ、特徴も記載しなければならないらしい

…ご苦労様な仕事だ)。

そして最後に、

「持ち主が見つからなかった場合、拾われた方がそのモノを取得する権利が与えられますが、いかがなさいますか」と質問された。

冗談だろと笑いそうになりながら、

母を見ると「…いりません」と返していた。

ちょと考えた??と疑ったが、

後から聞くと、予想を超えた質問だったので、

固まってしまったとの事で、安心した。

翌日から、警察のパトロールも強化されブラジャーが落ちている事はなくなった。

 

続く

 

チッさん