『言いたいことも言えないこんな世の中は〜POISON〜』な日々

平凡な29歳女子に日々起こる、ちょっとした出来事に対して言わせてほしい

愛しさとせつなさと心強さのカップルの話

 

自己紹介でも述べたが、

私は名古屋育ち名古屋生まれの旦那の影響もあり、

時間が空くと何かと一人で喫茶店で過ごすことが多い。

 

私にとって喫茶店は、

ただコーヒーを飲んだり本を読んだりするだけでの場所ではなく、

どちらかと言えば、ボーッとしたりくつろいで過ごすことが多い。

(平気で2、3時間いるので、店からしたら迷惑な客である)

 

茶店でボーッと過ごしていると、

嫌でも周りの会話が聞こえてくる。

 

子供の反抗期の話…

 (中学生の母親達は大変である…)

近所の高橋さんの悪口…

 (私も町内会の集まりに仮病を使うのはよくないと思う)

ネズミ講の勧誘…

 (大学生の君、引っかかるな!目を輝かせるな!旨い話はねぇんじゃ!)

 

などなど、大変失礼であるが、

隣に座る、見ず知らずの人達の話が気になって

つい聞き込んでしまう時がある。

 

そんな中、先日入った喫茶店で出会った

高校生カップルの会話を紹介したい。

 

その高校生カップルはというと、

 

彼氏は2年生、彼女は1年生で、違う学校に通っているらしい。

彼氏は、ハーフで高身長のイケメン風男子。落ち着いたしっかり系男子。

彼女は、クラスの賑やかなグループにいがちな騒がしい系女子。

また、自分のことを、私バカだし〜と明るく言っちゃう系女子。

 

お互い遠慮なく喋り、

高校生カップルにありがちなイチャイチャした雰囲気でないところを見ると

付き合いも長いのだろう。

 

そんなカップルも最初は仲良く一つのケーキを食べながら、

学校での出来事を楽しく話たり、

カメラのアプリを使って、写真を撮ったりと、

楽しく過ごしていた。

(この頃は、まだ私にロックされていない)

 

すると、ふとした彼女の発言に、(覚えていない…)

 

彼氏「お前バカすぎて人間じゃねーよ笑」

と彼氏が言い放ったのだ。

 

私の耳はピクッと反応し、

瞬時にカップルの会話に耳を傾けた。

 

彼女「じゃあ分かれよ」

 

(お…おもしろそう…)

私は完全にロックした。

 

彼氏「常識の話ししてんだよ。わかんねーわ」

彼女「…」

彼氏「…てかさあ、まず足にそんな落書き書いたりしてる時点でバカ丸出しじゃん」

 

落書き?

私はそっと彼女の足に目をやると、

膝には、サインペンで下手くそな女の子顔が書いてあり、

ふくらはぎには、彼女の名前なのか、

ひらがなでデカデカとフルネームが書かれてあった。

…納得。

 

バカ丸出しの落書きをした彼女を連れ、街を歩く。

彼氏も辛いものがあっただろう。。

 

彼女「可愛いじゃん」

彼氏「可愛くねえよ。だからお前は○谷なんだよ」

 

※ここで補足させて頂く。

愛知県、もしくは東海エリアにお住いの方なら

もしかして…とお気づきかもしれないが、

○谷とは、地元の高校の名前であり、

お世辞にも賢いとは言えない印象の学校だ。

(在校生、卒業生、関係者の皆様、彼と一緒に謝ります…)

 

そして畳み掛ける様に、

彼氏「前から思ってたけど、お前の友達もバカそうで前から苦手なんだよ」

彼女「なんでそんなこと言うのー」

  「ゆみとかバカじゃないしー」

 

そういう問題じゃない。

あんた、友達けなされてるんだよ!怒っていいんだぜ?

 

彼氏「バカだろ笑」

 

ゆみもバカなんかい!

 

彼氏「どーせお前ら、因数分解とかできないんだろ?」

 

言うじゃない彼!

私はコーヒーを吹き出しそうになる。

彼女も、ぐうの音もでない状態。出来んのかい!

(てか因数分解ってなんだっけ?…お前も出来んのかい!)

 

 

彼女「もーさ、単位ギリギリなんだよね笑」

 

気まづくて話し変える彼女、

しかしなぜ自分のバカさを強調する話題にしたのか…

 

彼氏「そんなヤバくてなんで勉強しないんだよ」

ごもっともだ。

 

彼女「やりたくないんだもん」

その気持ちもわかる。

 

彼氏「○谷で、進級できないなんて終わってるってお前」

彼、○谷バカにしずぎな件。

 

彼女「は?もう帰るわ」

 

彼女もとうとう怒る姿を見せた。

よく言った!彼女はバカかもしれないが、

ちょっと彼氏は言いすぎである。彼氏も謝った方がいい。

 

 

しかし彼氏は、

 

彼氏「おう、帰れよ。帰って勉強しろよ。」

 

と、言い放ったのだ。

彼女も「確かに!」と思ったに違いない。

なんて冷静な高校生なのか。私も一本取られた。

 

その後、彼女はぶーぶー言って帰らず、

将来の夢について語り出したのだが、

 

自分はバカだから、普通の会社ではやっていけないから、

キャバ嬢になると豪語していたが、

そんな彼女の夢にすらも、

 

彼氏は「俺よく分かんねーけど、キャバ嬢舐めんなよ」

 

と言い放ち、

「とにかく勉強しろ」とブレない姿を見せた。

(なんて大人な高校生なんだ)

 

 

私は、なぜそんな大人な彼が、この彼女と付き合っているか、

彼女も、なぜ自分のことをバカ呼ばわりする様な彼と付き合ってるのか、

疑問が疑問を呼び、複雑な気持ちになった。

やはり、男女の仲は分からない。

 

そうこうしている内に、

彼らは、彼氏がバイトとのことで店を出ていった。

 

私も、かれこれ3時間その喫茶店にいることに気づき店を出た。

駅に向かって歩いている最中、

あのカップルはこれから上手くやっていけるのだろうか、

いっそのこと別れて、別の人と付き合った方が楽しい生活を送れるのではないか、

などと真剣に他人の恋愛事情を考えたが、

 

遠く前を歩くあのカップルが、

手を繋ぎ、仲良く歩いている姿を見て、

さっきまでの私の複雑な気持ちは、ほっこりした気持ちに変わった。

やはり男女の仲は分からないものである。

 

 

 

ただ、どうか彼女は勉強をしていただきたい。

 

 

 

チッさん